(…私の願い事は叶ったのかな?)



青い空を見つめ、見えるはずもないアンジェロの姿を無意識に探しながら、そんなことを考える。

何もかもが突然すぎて、真実も、現実も、完全に飲み込めないでいた。



堕天使だったアンジェロ。

友達を死なせてしまったのだというアンジェロ。



(『…美しさしか持たない天使が罪を犯したとき、それ以上の穢れってないと思わない?』)



あれは他でもないアンジェロ自身のことだったのだ。

そうやって自分の罪を背負い、それを報いるために天使でいられる僅かな余生を使って…



(…必死に)



毎日、毎日、羽を毟って、



(…それなのに、私ったら―――)










(…「なによ、人間を助けるとかいっちゃって、全部自分が綺麗でいたいだけでしょ、」)












(…あんな、最低なこと、言っちゃった)



アンジェロの心に深く深く突き刺さる刃のような言葉を簡単に口にしてしまった。

アンジェロは私にこんなにも幸せをくれたのに、私はなにもできなかった。



―――せめて、私の願い事が叶ってくれれば