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神様はお尋ねになった。

どうして偉大なる力を人間などに託したのかと。

アンジェロは答えた。


『全部僕の責任です。彼を死なせてしまったのは僕です』


神様は仰った。

自殺という罪を犯した人間は、天国にはいけないと。


『僕が罪を受け止めて堕天使になります。どうか、リュカの罪をお許しください』


神様は仰った。

生を手放した人間に、許される権利はないと。


『それなら彼の魂を転生させてください。たとえば自由に空を飛べる小さな白い鳥に』


神様は仰った。

1ヶ月。天使としての余生を慎んで受け取りなさいと。

自ら反省の申し出に、神様はアンジェロが堕天使になることを認めたのだ。



(…これで赦されるわけじゃない)


(…リュカを失ったバスチアンの悲しみは、永遠に癒えない)