リュカが居ない悲しみを、リュカを失った後悔と、ぽっかり空いた寂しさを
埋めるように抱き締めあった。
トクントクンと触れ合った肌を通して感じとれる2人の血は繋がっていた。
リュカもまだ、この2つの血管の中で、細胞の片隅にちゃんと、存在していた証を残している。
「――神様のところにいこう」
バスチアンが言った。
彼の顔が埋まったアンジェロの肩は温かく濡れていた。
「これから堕天使として、僕は僕を受け入れて生きていくよ」
バスチアンがそう話すたびに、リュカの右耳を彼の濡れたふわふわの髪が掠める。
それがとても心地良くて――。
『…そうだね。僕も、罪を償わなきゃ』
そう言葉を返すのが精一杯だった。