『――…ネェ。バスチアン。
…早く帰ろうよ』
口をついてでたのはそんな言葉だった。
『早く、リュカを起こして帰ろう』
「…ナ、に…言ってる、の?」
『…………』
「、兄ちゃんは…もぅ、」
(…やめて)
「………、っ、もう、」
(…バスチアン、)
「死んでるんだ」
その言葉をきいた瞬間、脳天を強くかち割られたような衝撃が足の爪先まではしった。
『リュカが死んだ…』
口にした言葉と、目下に力無く横たわり、瞼を開ける気配のない少年の姿がリンクして
―――世界が終わってしまえばいいのにと思った
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