俺はそんな伊織に
何も言えず立ち尽くしていた。


何て言えばいい?

何かないか?


かける言葉が何も浮ばない。



どうしたらいい・・・?


この沈黙が、
どれほど伊織を傷つけただろう・・・


俺はやさしく抱きしめてやることすら
できなかった。



別に胸の傷がどうこうじゃない、
胸がないからどうとかじゃない、
ただこの現実を目の当たりにしたことに
俺は何もできなかったんだ。