もう、辺りはすっかり秋の気配であった。


海への散歩は、今でも続けていた。

隣にもう、明日見はいない。

人間は思い出だけで、生きていけるものなんだな。

明日見と過ごした毎日を毎日、思い出していた。
空を見上げて祈った。

どうか、明日見が幸せで独りぼっちで泣いていないように…と