左腕に抱き着いている明日見を見て、オレは何も考えられなかった。

このぬくもりが、なくなるだなんて考えたくもなかった。


明日見は若い。オレの事なんて、すぐに忘れてしまうだろう。


こう思う事にした。

“明日見は、夏の暑さが見せた幻だった。”のだ。