明日見は、コーヒーを売りに行こうと車を走らせていた。

今日は、常連客のいない土地に行こうと思っていた。

知っている客に会いたくなかったからだ。

眠れなくて、時折涙が出て、目も顔も腫れていたから、余計な詮索をされたくなかったからだ。

光一朗からも逃げ出したかった。

優しさの広い海に溺れる事が分かっていたから。