帰りの車中は無言であった。

助手席に座った明日見は、ぼんやりと景色を見ていた。
いつもなら、空を見上げ天国との対話をするのに、今日はしていない。


「今日は、何を食べたい?」

オレは、明日見の方をチラッと見て言った。

「ん~。何がいいかなぁ。」

あまり、感情のない返答だった。


「ちょっと寝てもいい?」

明日見は、そっと目を閉じた。

寝る気ではなく、きっと、頭の中で整理が必要なんだろう。

なんで、明日見の祖母は黙っていたんだろうか?
どうして、明日見の母親は娘を置いて行方をくらましたのか?


どうやったら答えが出てくるんだろうか?

明日見が寂しさや苦しみから解放される日が訪れるのだろうか?