全ての手紙を読んでみた。

どれも娘を心配している母親からの手紙だった。

ある手紙には
“明日見は、随分大きくなりましたね”
など、写真か実際に見たかのような手紙もあった。


「これから、どうすればいいのかな?」

「明日見がしたいようにすればいいよ。捜したいなら、警察に行ってもいいし、なんなら探偵を雇ってもいい。」

「どうしたらいいか分からなくなっちゃった。」

それはそうだろう。恨んでいた母親は、自分の成長を喜び、信頼していた祖母は、母親の手紙の事さえ教えてくれなかったのだから。