「光ちゃん。」

と呼ばれたのは何年ぶり、いや何十年ぶりだろう?と畳の上にゴロッと横になった。


一人で暮らすには広過ぎる家だ。そして古い。別れた妻がよく言っていた。

「ここに住んでると自分まで陰気くさくなる。」と。


今では、その別れた妻の顔さえ思い出せない。目を瞑って思い出すのは、明日見の笑顔だった。



いくつ位なんだろう?20代にも30代にも見えた。髪はサラサラで、肌もキレイだった。


オレってバカだな…と苦笑し、風呂に入るため立ち上がった。