明日見は、山の頂上にいた。

山といっても、小学生が遠足で登るような低い山だ。

ここは、明日見にとって癒しの場所だった。

光一朗に悪い事したなと反省していた。

あの人は何も悪くないのに。

いつも、私の事を思って大切にしてくれてるのに。

黙って家を出てしまった事を、ひどく後悔していた。

空を見上げて、おばあちゃんに話しかけた。

「私は、なんで皆を傷つけてしまうんだろう。」
言葉につまったりすると、私は人に対して背中を向けてしまう癖がある。

そんな時ほど、言葉じゃなく気持ちを伝えろと教えられたのに。


光一朗は、それを待っていたんだろうけど。


彼は私の全部を受け止めようとするだろう。

そして、潰されて私の前から、いなくなってしまうんだろう。