明日見は、時々オレの家にも訪れるようになった。


近所の主婦達は

「若い奥さんもらったんですね。」

興味津々に聞いてきた。
オレは否定も肯定もしなかった。

オレと明日見は、お互いを支え合う人間同士の繋がりだった。


初めて出会った時は、男女の関係を期待しなかったわけじゃない。


しかし、今では一緒にいるだけで、幸せだと思っていた。


明日見も、徐々に元気を取り戻し、出会った頃のような不思議な雰囲気を醸し出していた。


「隣のおばさんに、いつ入籍するの?って聞かれちゃった。」

寝っころがりながら、大きな声で笑った。

オレは元々、若い女性のキャピキャピした笑いが嫌いだった。

しかし、明日見の笑い声は好きな物の1つとなった。


そう、海よりも好きな物だった。