山を切り崩して作った墓地はかなり広かった。

黒のヒールを履いている明日見は、疲れを見せず坂を登っていく。

少し、遅れをとったオレを見て、「光ちゃん、年だねぇ。」と笑い、コツコツとヒールを鳴らし、オレの所に戻り、手を繋いだ。

本来なら、手も繋ぎたくないほどの暑さだが、少しでも、明日見が落ち着くのならと、されるがままにしておいた。