益が引っ越してから
1年が経った
あたしは、高校1年生
益とは大分前に連絡を
取ったきり取っていない
だけどその日は
なんとなく、益に電話
してみたくなった
プルルル、プルルル
『お掛けになった電話番号は
現在使われておりません』
「え…、益…」
あたしは、不安で不安で
仕方なくなって
親友の加瀬穂香に電話した
「もしもし?穂香?」
あたしは、小さな声で話した
「もしもし?どうしたの?」
穂香は優しく聞いてきた
その瞬間、あたしの目からは
涙が止めどなく溢れた
「益と連絡取れなく…ヒック
なっちゃったっ…ヒック」
何言ってるか分からなくなる
あたしの話を穂香は
最後まで聞いてくれた
「明花?益山はね
今、明花の近くに居るんだよ」
穂香の言葉に耳を疑った