あさきが、なんか吹き込んだみたいだし?
実紅が俺のことを信じるか、あさきのことを信じるかは実紅にかかってる。
今、分かることは、俺があさきをまだ好きだと実紅は勘違いしているということだけ。
……どうしたらいい?
実紅は、どうしたら俺を信じてくれるんだろう。
…ただ、それだけが知りたい。
俺は優ノ介の手を振り払い、校舎から走り出した。
「…おい!舜!」
優ノ介の叫ぶ声が後ろから聞こえたが、無視した。
―…あとでお礼しなきゃな。
優ノ介に背中押してもらったみたいな感じだし。
寮まで1分も掛かんないから、あっという間に着いた。
「…舜?」
女子寮から出てきたのは、あの呑気なバカ男。
涼介だった。
「あれ?もう帰ってきてたと思ったんだけどー…つか、どした?」
「どしたじゃねえよ。お前は何で女子寮から出てくんだよ」
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