「洸太は?洸太こそいつ結婚する予定なの?」

「それは…」

「奈留のためにも、早くプロポーズしてあげてよ」

「え?」

「だって奈留さっき言っ」



言ってたと言おうと思ったら
誰かに腕を引っ張られて遮られてしまった。



「ちょっ、舜!何!?」


「ちょっと来い」


「…へ?」



舜にそれだけ言われて有無を言えないまま、舜に無理矢理腕を引っ張られたまま


どこかへ連れて行かれた。



ちょっと不機嫌な舜が怒ってる理由何てまったく分からなかったけど


その理由はすぐに分かった。



「結婚してすぐに浮気かよ」



やっぱりヤキモチだった。



どこまでもカッコいい舜は
どこまでも可愛いかった。


こんな時までヤキモチ妬いてくれる舜を可愛いと思っちゃうのは変なんだろうか。


まあ、変じゃなくても舜に言うことは決してない。





「今日は覚悟しとけ」





目の前の狼が甘く低くそう囁いたから。



その目に何度囚われただろう。

その唇に何度口を塞がれただろう。

その腕に何度抱き締められただろう。

その体に何度愛されただろう。



舜の全てを手に入れて
それでも何故か足りなくて。



こんなにも



こんなにも欲張りにさせたのは

この甘くエロい狼のせい。




―END―




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