電車が到着する合図のベルが鳴る。
その音は冬休み前に聞いたとき以来で久しぶりだったからか
新鮮に感じてしまった。
「遠慮しとく。どうせこれから大泣きすんだろ?」
舜は嘘泣きする準備をしてる修夜にきっぱりと荷物を持ちながらそう言った。
修夜がこれから大泣き?
あたし的には考えられなかった。
あの修夜が大泣きなんてどう考えても考えられないし予想出来ない。
「お前舜行ってから大泣きすんのかよ、めんどくせぇな」
そんな大泣きするなんてありえない修夜に洸太が冷たい視線を浴びせる。
もしかしたら修夜は本当に舜が電車に乗ってから後に泣いていたのかもしれない。
だって今まで一緒にいた友達なわけだし、これから離れるんだから泣くことはあったかもと
今になって思った。
おちゃらけな修夜だからこそ
こんな時に涙を見せるんじゃないかと思った。
「大泣きしてたらメールで教えて」
舜がそう呟いた。
でもまさかあたしに言ってるなんて知らなくて応答しなかったあたしの頭を軽く叩いた。
いったーい。
「無視すんな」
どうもあたしに言っていたらしくあたしを上から睨んできた。
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