「…結婚って……あの結婚?」
「ああ」
「あの…婚姻届出したりする………あの結婚?」
「他にあるなら教えて」
あたしは大学卒業したら舜と結婚していいんだろうか。
たぶん今のままでは絶対上手くはいかないと思う。
でも大学卒業したころにはもう少しは成長してるんだろうか。
「不安?」
舜が指輪をもう一度小さな箱に入れて、あたしの顔を伺う。
「結婚する事が不安?」
「そんなこと…」
「我慢しなくていい。大学卒業なんてまだまだ先だし、時間だってたくさんある」
「…そうだけど……」
「だからたくさん悩め。返事は大学卒業してからでもいい。いつまでも待ってやる」
不安だらけだった。
結婚しようって言われてなくても離れるって現実だけでも不安で押しつぶされそうになった。
なのに舜の一言でこんなにも不安が簡単に無くなってしまう。
やっぱり舜の言葉は魔法の言葉であたしの中の不安を無くしてくれる。
安心出来るんだ。
舜の一言だけで。
だから決断出来たこと。
「結婚してください」
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