分かんねぇの?って言われても分かるはずない。
だって、あたし鈍感だし。
おまけに天然だし。
しかも余計に考えにくさせるのはこんなに近い舜の所為。
舜の鼓動が肌を伝って聞こえてきて熱い息が耳にかかる。
理科室の中は外より寒いため吐く息が白く、より冬を感じさせられる。
「…分かんないよ」
だから何で理科室に来たのかなんて、何であたしをつれて来たのかだって分かるわけない。
思考回路が回らない。
もう考えることが出来ないくらい舜でいっぱいになってる。
だから急にキュンとくるようなセリフを言われても困るだけなのに…。
「2人っきりになるために決まってんだろ」
耳元で囁く舜の低い声は、いつもみたいに心地よく感じられた。
あたしの体の横を通って舜の手が壁につくから、あたしと舜の距離がより縮まった。
……っ!!
かなり近くなった舜の顔をまともに見ることは出来ない。
息遣いまでも伝わってくる。
「最後の最後には2人で過ごしたいとか思わねぇのかよ」
「…え……それは…」
「俺はなりたかった」
舜があたしをつれて来た理由って………二人きりになりたかったからってこと…だよね?
うそ……どうしよ
かなり嬉しい。
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