舜と洸太も後ろに来て、5人で何枚か写真を撮った。
それからは外に出て写真を撮ることにした。
フィルムも少なくなってきたから外で撮れるように残しておいた。
やっぱり最後にみんなでたくさん写真を撮りたいと思った。
下駄箱まで行くと、舜が急に立ち止まった。
「どうしたの?」
「忘れ物あるから戻る。実紅ついて来い」
「…っえ…!?」
舜に腕を掴まれて、あたしまで再び中に戻ることになった。
何を忘れたのか知らないけど、何であたしについて来いなんて言ったんだろう。
ただ掴まれて引っ張られる腕のとこだけが熱くて、久しぶりに心臓がドキドキとうるさかった。
ガラ―
舜が入ったのは綺麗に掃除がしてあって何も無い理科室だった。
…こんな所に忘れ物?
そう思ったけど忘れ物があるから戻ってきたんだしと思い、なんの疑いも無く後をついていった。
「何を忘れたの?」
だから、あたしがそう聞いたら普通に答えてくれると思ってた。
でも舜は振り返るとニヤリと怪しい笑みを浮かべて狼の表情になってることに気付いた。
「…しゅ…ん…?」
「忘れ物なんてあるわけねぇだろ?ガキじゃあるまいし」
「じゃあ…何…?」
「分かんねぇの?」
あたしを壁へと閉じ込めるようにどんどん押しやる。
そして動けなくなったあたしの耳元に近付いてくるのは
………舜の唇。
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