確かに赤茶の髪だった前の空も良かったと思うし今の黒髪の空も似合ってていいと思うし
……どっちのほうが良かったとか比べられないから聞かれても答えられない。
そして、どう答えたらいいか悩んでいたあたしとクスクスと笑ってる奈留と真剣な表情の空の方に
ドカドカと鳴らしてこっちに向かってる足音が聞こえた。
「そういうことは普通は彼女に聞くでしょ!何で実紅に聞いてんのよ!」
怒った声でそう叫ぶのは制服を珍しくきちんと着てる亜実奈。
このクラスまで走ってきたのか
ハアハアと息を荒くしていて疲れてる様子だった。
亜実奈のその様子を見てる空は冷や汗をたらしながら亜実奈から視線をあたしに移した。
「逸らすな!っていうか……」
「な、なんだよ」
空は『怖いな』と亜実奈に聞こえないくらい小さく呟き、後ずさりしていた。
亜実奈はというと空を睨むと、何故かあたしに視線を移してキツく睨んできた。
あたし…何かしちゃった感じ?
あたしまで冷や汗が出てきそうな雰囲気になったところで亜実奈は口を開いた。
「………まだ実紅のこと好きなんじゃないの!?」
「はあ?!」
「何でそうなるんだよ」
あたしがこの時"はあ?!"と叫んだことは、たった一分で全クラスに広まったらしい。
.