「みんな初々しいよね。今の光景なんか想像も出来なかったよ」



確かに、みんなで中庭で写真を撮った時なんか舜とまさか付き合うことになってるなんて思わなかったし。



ただ高校生活の毎日がキラキラしてて楽しかったっていう記憶しかない。



「うあ!…ちょ、見て実紅ちゃん!」



奈留が突然指したのは一年の時の集合写真が載ってるページの空と亜実奈のいる2組だった。



「なにな…」



指差す方を見てみると、空の髪の色が大変なことになってた。



「懐かしいー!やっぱ俺赤茶のが似合ってたかなー」



頭上から聞こえた声は聞き覚えのある声で、指差してる写真の人物だと分かった。



「赤茶に戻そっかな」



そう軽い口調で言うのは現在黒髪の空。


黒髪といっても真っ黒まではいかず少し茶色が入ってる程度の色。



「ね?実紅はどう?」



だからって、あたしに聞かれてもかなり困るんですが。



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