嘘も偽りも何も無く今あたしはそう思った。
みんなと最後に過ごしたいと。
みんなで最後は騒ぎたいと。
みんなと最後は終わりたいと。
舜がうんぬんじゃなくて、みんなと過ごしたいという気持ちの方があたしにはあった。
「みんなで行こうよ。最後はみんなで居た方が楽しいじゃん」
あたしがそう口にすると奈留は疑わしい顔でこっちを見てきた。
「ほんと? それが実紅ちゃんのほんとの気持ち?」
「うん」
あたしが頷くと、さっきまでの疑わしい表情とは裏腹ににかっといつもの奈留スマイルになった。
そういえば、気が付かなかったけど奈留って笑うとえくぼが出る。
あんまり気にしてなかった奈留の表情の一つ一つからも新鮮だなと思えることがあった。
あんなに長い時間一緒にいるんだから当たり前のこと。
でも気が付かなかったことに少し後悔。
もうちょっと早く知ってれば奈留の笑顔を見るのが楽しみになってたかもしれないのに。
そんなことを思いながら、さっき配られた卒業アルバムを開いて見ていた。
「懐かしいよね。あたし、こんなに髪短かったんだもんね」
昔短かった奈留のサラサラな髪は今はもう胸くらいにまで伸びていて面影は無かった。
「実紅ちゃんは、ずっとその髪型だよね」
「うん」
アルバムの一ページ目にあるのは一年の時のクラス全員が集合してる写真だった。
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