明後日と言えば、舜が本格的に引っ越す前の日なはず。
舜は平気なのかな…
「雨宮くんは平気だって。もう荷物まとめたって言ってたよ」
奈留はあたしの頭の中を読み取ったかのようにそう答えた。
でも確かに寮の中の荷物は春休み中に片付けなきゃいけない約束で
ほとんどの人が荷物をまとめて出ていってるはずなんだけど…
舜は前の日なのに他に何かをしなくてもいいんだろうか。
それとも、あたしたちと過ごしたいと思ってるのかな…?
「ねえ、実紅ちゃん」
「ん?」
「本当のこと、言って?」
「…うん」
いきなり真面目な顔をする奈留に驚きつつ、奈留が次に口を開くのを待っていた。
「本当は雨宮くんが引っ越す前日2人だけで過ごしたい?」
「…」
いきなりそんな質問をするもんだから、あたしが口をポカンと開けて唖然としていたのは言うまでもない。
「実紅ちゃん?」
奈留に名前を呼ばれるまで、あたしの意識は飛んでいた。
あまりにも答えづらい質問で考えるのにも抵抗があった。
舜と二人きりでいたいと思うのも嘘ではないんだけど………
みんなと過ごしたいと思う気持ちの方が大きかった。
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