止めてとも言えず
止めることも出来ず
殴り合う2人を、ただ見てることしか出来なかった。
殴り合う2人は、お互いに睨み合いながらも、どこか笑い合ってるようにも見えた。
本気だから、お互いに本気って知っているからこそ笑いながら喧嘩出来るものなのか。
でも違う。
喧嘩してるんじゃなく、これは男の友情の証とも言える気がする。
生で殴り合う姿なんて今まで見たことなかったけど、今回は見れてよかったような感じがした。
ただの喧嘩の殴り合いだったら
ただの憎しみからの殴り合いだったら
あたしは止めてた。
2人の殴り合う姿なんて見たくないと思うはずだから
「お前らー、もう授業とっくに始まってんぞコラ」
その声で2人の動きは止まり
あたしの視線は2人から、その人に移った。
「先生、邪魔しないで」
いつもみたいに先生をふざけて挑発するような喋り方では無く、トーンが一つ低く怖い声で
修夜が睨みながら言った。
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