た、確かに…不安になってるのは本当だから困らなくもないんだけど……。



でも突然あたしに話を振られるとは思ってなかったから


何も考えてない。
舜に話したい事を。


だって、話せない。


不安なんだよって言ったら、心配なんだよって言ったら、本当は本当は行かないでほしいなんて言ったら………



舜はどんな顔する?
舜は何て思う?



せっかく舜が決めたことを、もし違うものにしちゃうくらいなら、自分の気持ちは言わない方がいいと思った。



あたしが我慢すればいいだけ。
簡単なこと。
舜に余計な心配させちゃダメ。



ダメだから……



「なってなんかないよ」



ただ、自分を誤魔化すだけ。

今だけ小さな嘘をつくだけ。



「嘘つくな」

「…ついてないし」

「ついてる」

「なんで…そんな事…」

「聞くかって?実紅を不安にさせたら意味ねぇからだよ」



…何でまた…そんな事言うのさ。



何で、もっと好きになるようなこと言うのさ。



ズルいよ。舜はズルいよ。



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