あたしの決心が揺らぐ。
揺らいじゃ駄目なのに。
揺らぐ、決心がどんどん、無くなっていく。
「実紅が不安になること分かってて、舜は引っ越すって言ってんだろ?」
違う。違うよ。
舜はちゃんと、あたしを不安にさせないように
理由を言ってくれた。
県外の大学に行く理由を、全部ちゃんと言ってくれた。
「あたしが弱いだけなんだよ」
全部、全部あたしが悪い。
あたしが舜の話を聞いてあげないで、自分のことばかりだったから
「実紅は弱くねぇよ。そこまで決心つくんだったら弱くねぇ」
「だったらっ…」
力強い眼差しの修夜を、あたしも真っ直ぐに見つめた。
「だったら…何で…決心揺らぐようなこと言ったのっ…」
あたしは強くないけれど。
我慢強い女じゃないけれど。
他の誰よりも、舜のことが大好きだから。
待っていたいと思うから
だから、待ってようって決心したの。
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