「いや、何か雰囲気がそんな感じだったからかな」
「あー…、うん」
「まっ、マジで?」
ちょっと嬉しそうに話す空。
その空を不機嫌な顔で強く叩く亜実奈を見て、思わず笑ってしまった。
「ったく、人の不幸を聞いて笑う癖直しなって言ったじゃん」
「ははは、悪い悪い」
悪気なさそうに謝る空にまたイラついた亜実奈はもう一発パンチを食らわした。
「…ってー」
「自業自得!」
亜実奈は腰に手を当てて、空を睨むように見つめた。
そんな2人のやりとりが面白くてさっきまでの不安が軽くなった。
すると、亜実奈が机をバンッと叩いた。
「ってか、舜くんとちゃんと話した方がいいよ。このままじゃ、自然消滅しちゃうよ?」
「そうそう。2人とも素直じゃねぇんだから、話し合わねぇと」
「よく分かってんじゃん」
「そりゃあ、亜実奈の彼氏やってんからな」
勢い良く喋り出す2人は、今度は意気投合したのか、亜実奈も柔らかい表情になっていた。
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