正直言って、今日は会いたくないっていうのが本当のところなんだけど。
でも学校に来たら会わなきゃいけないのは、もう最初から分かっていたこと。
だからって、やっぱり
あんな事があってからだと…
「実紅ちん!おはよ」
「!」
声にビックリして振り返ると、そこにはさっきまで女の子とイチャついていた
今もっとも会いたくない男子が、そこには立っていた。
……言葉が出ない。
喉の奥で何かが突っかかってるような違和感を感じる。
言葉も出せなければ
目も合わすことが出来ない。
会いたくもなければ
話したくもなかった。
傷付けたくもなければ
傷付きたくもなかった。
きっと今修夜と話をしたら
言いたい事は言わず、言いたくない事を言っちゃいそうな気がする。
だから話したくなかった。
言葉を交わしたくなかった。
傷付けたくないから。
悲しい顔をさせたくないから。
傷付けてしまうのが怖くて何も言わない方が、後で傷付けてしまうなんて……
知らなかったから。
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