「実紅ちゃん、おはよう!」


「おはよう」



学校に着くと、奈留があたしの方に向かって走ってきた。



なにか話したい事があるのかなと思ったけど、奈留はただニコニコと笑ってるだけ。



「…何かいい事でもあった?」



聞いて聞いてという顔をしてる奈留にそう言うと、奈留は激しく頷いてジャンプし始めた。



その行動から、かなりいい事があったんだなと確信した。



「あのね、あのね」


「何々?」



あたしも奈留の話に興味が湧いてきて、自然にテンションが上がってきた。



奈留は最初から高かったから、今のテンションは、あたしでも扱いずらいくらいになってる。



それくらいいい事って何だろう。


洸太との事?
進路の事?
それとも他の事?



何の事で、こんなにテンションが高いのか掴めないあたしの疑問を


奈留は意図も
簡単に解いてみせた。



「高校卒業したら、あたしたち専門学校行くことにしたの」


「うそ!よかったね。もう進路決まったんだー、いいなー」



………って、あたし"たち"?



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