修夜の家は二階建ての一軒家で、周りの一軒家より一回り大きい灰色の家。
中は外に比べてシンプルで、家具が置かれてるぐらいで下は何も散らかっていない。
やっぱりこれだけ綺麗になってるってことは
修夜とお父さんとお姉さんしかいないからなのだと実感させられた。
奥を進んで行く修夜。
それに付いて行くあたし。
修夜が立ち止まった目の前のドアには【奈央】と書かれた札がぶら下がっていた。
「ここが、お姉さんの部屋?」
「そうなんだけど…入る前に一ついい?」
真剣な顔の修夜。
「いいけど…」
何だろ?注意点とか言われるのかな。
……と思いきや。
「たぶん部屋に入った瞬間、姉貴が実紅に抱きつくと思うから」
は?は?はい?
なに…抱きつくって。
あたしに抱きつく?
どういうことか訳も分からないまま、修夜は部屋のドアを開けてしまった。
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