薬を買い終わり、自転車に乗ると
おでこに冷たい感触が伝わった。
「つめたっ…」
「ごめんごめん。のど乾いたかなと思って、これ買ってきた」
「…え?」
修夜に渡されたのは、ひんやりと冷たい缶ジュースだった。
「あ、ありがと」
「紳士ですからね」
紳士って……さすが修夜。
修夜じゃなきゃ自分で自分を紳士なんて言えないよ。
そんな些細な修夜の発言にクスッと小さく笑ってしまった。
「いや、そこ笑う所じゃねぇし」
そんな事を呟きながら
修夜は自転車にまたがり、自分の缶ジュースをゴクゴクと勢い良く飲み始めた。
あたしもその勢いに合わせて
乾いた喉を潤すようにゴクゴクと勢い良く飲み始めた。
そんなあたしを見て
修夜はプッと軽く笑った。
.