舜-side-
優しくすれば、本当に心の底から嬉しそうに笑って
冷たくすれば、今にも涙がこぼれ落ちそうなくらい悲しそうな顔して
意地悪すれば、茹でタコみたいに体まで真っ赤にして。
俺の態度で一言で、笑ったり泣いたり怒ったり喜んだり
あいつは一喜一憂する。
だから離れられないと思った。
あいつは俺から、絶対に離れられないと思った。
でも、離れられなくなってたのはいつの間にか俺の方だった。
無邪気に笑うあの顔が
自然に泣くあの顔が
真っ赤にして照れるあの顔が
拗ねてるあの顔が
いつも俺の頭の中にあった。
だから他の男に見られたくなかった。
実紅の泣いてる姿を
照れる姿を、怒る姿を
見られたくなかった。
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