あと数センチ…
あと数ミリ…
あと…あと……
あと少しで唇が重なろうとしたときだった。
…あれ…あれれ?
キス出来る寸前でストップしたままの状態で、お互いの顔が近付くことは無かった。
あたしには胸にモヤモヤだけが残って
行き場のない気持ちで胸がいっぱいになった。
それなのに舜は余裕な顔で
「実紅から、して?」
そう甘く囁いた。
あたしは、その甘く意地悪な言葉にまんまと騙されてしまい
自分から唇を重ねていた。
あたしが上に乗ってる所為か
あたしの体重でキスが、どんどん深くなっていった。
……あたし…
今日はどこまでも大胆になっちゃうかもしれない。
「…んっ、はっ」
舜の首に自ら腕を絡ませてる自分に気付いてそう思った。
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