潤んだ目で、甘い声
甘えた言葉で、押し倒す。
これは俺をおちょくってんの?
からかってんの?
いつもの体勢とは逆に俺は実紅に押し倒されてた。
「やっぱ熱あんだろ」
潤んだ目で俺を見つめる実紅に問いかけても返事は返ってこない。
へー、無視ですか。
こんな行動するってことは、熱あるか、頭がイカレたかのどっちかしかない。
それだから熱あんか心配してやってんのに。
けど、
さっき触った実紅のおでこからは熱があるようには思えなかった。
「今日何か特別な日だっけ」
「何の日でもないよ」
「じゃあ、何で俺はお前に押し倒されてるわけ?」
「あたしが好きだから」
そうくるか。そうくんのか。
俺の気持ちは無視して無理矢理襲うってわけか。
……なら、思い通りにしてやる。
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