そう言って実紅のおでこに手を当ててみると
実紅は上目遣いで
「熱なんか無いよ?」
と潤んだ目で言ってきた。
しかも何気に甘ったるい声になってて、甘えてる感じになった。
つうか、やべぇよ。
…俺、完璧やべぇよ。
何でこんな猫被ったみてぇな実紅にドキッてきちゃってんの?
甘ったるい声とかウザイくらいにいつも聞いて好きじゃねぇのに
なんで実紅の甘えてる声には、もっと聞きたいとか思ってんだよ。
自分に腹が立って実紅を玄関に置いたままリビングの方に一人で歩いていった。
「…待ってよっ」
でも突然制服の端を引っ張られて
俺はそのまま実紅と一緒に床に勢い良く倒れた。
「ってー…」
「キスしてくれないの?」
「…、は?」
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