分かって言ってんのかよ。
そういう事言ってどうなんか。
分かってるはずもなく言ってる実紅を分かってても
どうしても確かめたくなる。
いつもの実紅じゃない
小悪魔な実紅に。
確かめたくなる。
「それ言ったら、どうなんか知ってて言ってんの?」
少し冗談混ざりでそう言う。
すると、実紅は俯いた。
顔を真っ赤にしてんのかすら分かんねぇ状態で沈黙を続ける。
ついに俺は沈黙に耐えられなくなり、口を開こうとした時だった。
実紅が静かに呟いた。
「分かってるよ。好きだから、キスしてほしいの」
「…は?」
思いがけない一言で、驚くことしか出来なかった。
こいつ今日おかしい。
いつもとキャラが違うっつうか
照れるところで、まったく動じずに平然としてるとこがおかしい。
「お前さ、熱あんじゃねぇの?」
.