「ど、どうって……」



“好き”の二文字でいい。

たった二文字でいい。

それを言ってもらいたい。



情けねぇ。自分でも思う。



なんで女に好きって言ってもらいたいなんて俺は思ってんだ?


自分を女々しく思う。



さらに情けなくなり、深く溜め息をついた俺を、上目遣いで見つめる実紅に気づいた。




「……だよ」


「あ?」



いきなり喋るから最初の方が聞き取れなく
もっかい言うことになった実紅はさっき以上に顔を赤くした。



そしてポツリと呟いた。




「舜が好きだよ、誰よりも」



馬鹿だろ、こいつ。


彼氏の部屋に二人きりで
しかもドアに押し付けられて
キス出来そうなくらい近いのに



その発言とか。


ありえねぇだろうが。




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