本当に可愛くないあたし。



そんなあたしを舜は

優しく、そっと抱き締めてくれた。



「…しゅ…ん?」



名前を呼んでも何も反応しない。



無視されてる?

瞬間的にそう思っちゃう。



でも舜は、すぐに口を開いた。




「俺だって、モテたくてモテてるわけじゃねぇよ」


「…うん?」



頷くしかない。



「実紅だけにモテてれば、それだけでいいし」


「…っ」



なんとなく、涙もろくなる。



「だから、本性バラすつもりはない。実紅が不安になんなら」



何よりも力強い言葉だった。



そして



抱き締める舜の腕の強さが増した気がした。



さっきよりも強引だけど

さっきよりも強いけど

さっきよりも無理矢理だけど




「……好き」


「は?」


「キス、してよ」




そんな君が

あたしを素直にさせる。




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