結局は選べないのが現実。



あたしは舜を独り占めしたくて。


誰にも笑顔を見られたくなくて。


でも、本当の舜を知られたくなくて。



どんどん欲望が広がっていって
前までのあたしじゃ考えたことのないようなことまで考えるようになった。



好きすぎて
自分が思ってるよりも好きで



毎日毎日、舜の言葉に一喜一憂して



あたしの方が好きだとばかり思っていたのに。



舜が嫉妬してくれるたび、なぜか嬉しく感じて

“愛されてる”
そう感じたくなった。




「それってさ、嫉妬?」




俯くあたしを覗き込む。

近付いた顔が妙に色っぽくて
あたしの心臓はドキンと鳴った。




「実紅も嫉妬してんだ?」


「ち、違うよっ」


「じゃあ何だよ?」




そう言われると逆に困る。




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