洸太は機嫌が悪そうに返事をしてそのプリントをクラスの席すべてに配った。
…あたしには
なにをしてるのかさっぱり。
そして、配り終えた洸太は脱力感たっぷりで、あたしたちの方に歩いてきた。
「恵藤に配れって言われた」
「…は?」
そりゃあ舜が意味分かるわけがないに決まってる。
あたしの為に先生に言いに言ってくれたから、先生が代わりにプリント配れとか言ったんだ。
あの生徒をイジメるのが生きがいに近い先生が押し付けそうな事。
それなのに、嫌々だけど配ってくれる洸太を見て、
あたしは
洸太を、この時“お兄ちゃん的存在”に感じたんだ。
…しかし睨まれる。
洸太を尊敬してたのに
せっかくいいムードになってたのに(自分の中だけだけど)
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