小林くんの周りにいる男子数人はあたしをニヤニヤ見てくる。



気味悪くなって
向けてた視線を奈留に戻した。



すると男子数人は『あーあ、逸らされちゃった』と呟きながら

教室にズカズカと入ってきた。



その足は、確実にあたしと奈留に近付いていた。





な、な、なにっ?

何でこっちに来るの?

なんなのー…




「ねえねえ、高畑だよね?中学同じだった小林って言うんだけど。覚えたりしてる?」



俯くあたしを覗き込みながら
小林くんは舜がいるにも関わらずどんどんと話を進める。



「高校同じなんて知らなくてさー3年なってやっと気付いてさ。どう?今度遊ばない?」


「で、でも…」


「こいつらが高畑と話したいって全然きかなくてさ」




だからって、他の男子と遊ぶほどあたしだって鈍感じゃない。



舜がいるのに、どんどんと話を進める小林くんに苛立ちを覚えながら

あたしは留めの一発を発した。




.