「メアド教えてよ。ね?」
「で…でも…」
「減るもんじゃないんだから、別にいいじゃーん」
どんなに嫌な顔をしても去ってくれない新1年生たち。
ああ、誰か助けてくれないの?
ここで誰か来るはずでしょ?
………なんて
漫画の読み過ぎだよね。
「1年生のくせに、生意気に人の女にメアド聞いてんのかよ」
でも、すぐ後ろからものすごく低い声が聞こえた。
振り返ると、やっぱりそこには
久々にネクタイをしてる気だるそうな舜が携帯をいじっていた。
「あ…雨宮先輩」
「人の女に手出すほど、周りに女がいねぇのかよ」
「す、すいませんでしたっ」
あの入学式にナンパから助けられた時のように
また舜に助けられた。
あたしって、世界一の幸せ者?
こんなカッコいい彼氏がいて
しかもナンパとかから助けたりしてくれるし
意地悪したりするけど
何だかんだ言って、優しいときは結構優しいし。
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