俺の隣を歩く実紅は
まだ通常には戻ってなかった。



「い、い、いいのっ…？」


「何が？」



分かるでしょ？
分かんないの？


という鋭い視線を送る実紅。



「…ああ、本性のことだろ」


「そっ、そうだよ！ば、バラしちゃっていいのっ？」


「何で？」



また鋭い視線を送る実紅。



けど実紅はバレてくれた方がいいんじゃないの？



いくら馬鹿な女だって冷たい性格って分かればキャーキャー騒がねぇだろ。



そしたら変な女が寄ってこないから好都合になるじゃん。



けどこんなに嫌がるのは何で？




「だっ、だって……」


「だって何だよ」




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