いつの間にか一年が経ってしまうほどに、当たり前に付き合っていたんだね。



何もかもが当たり前になっていて

感謝することも忘れていた。




「行ってこいよ」



あたしの体を離して、いつもの舜が背中をポンと優しく押してくれた。



たぶん山崎さんの所に行ってこいってことなんだろう。


一瞬不機嫌な顔になったのを見逃さなかった。




「行って、くるね…」



舜からの返事が無いのを確認してカバンをその場に置き、舜を残して教室を出た。



素直な気持ちを、そのまま言えばいいだけ。

思ってることを、そのまま口に出せばいいだけ。

考えてることを、そのまま言えばいいだけ。



でも、ただそれだけなのに

それが難しいのは何故なんだろうね。





────……
───……



校庭まで出てサッカー部が部活をしてるのを見つけた。



その中には、ふざけ半分にやってる泥まみれの修夜が見えた。




.