「あのね、2回目なの。ああやって直接真剣に告白されたの」


「1回目は?」


「1回目は舜だよ。だから余計に山崎さんの告白が特別に思えて、上手く断れなかった」



舜の胸の中で話し続けるあたしに舜は頷きもせず、ただ静かに聞いていていた。



「傷付けたらとか、これまでの関係が崩れたら…やだとか」


「でも結局は、ちゃんと断らねぇと変な期待持って傷付くのは山崎さんなんだぞ」


「…うん…」


「自分の気持ちちゃんと伝えんのが実紅なりの返事じゃねぇの?」




いつも暖かい言葉をくれるのは舜だった。

いつも自然に笑顔にしてくれたのも舜だった。



どんなに意地悪しても、どんなにエロくても、あたしを一番考えてくれてたのは舜だった。



…だから一年舜とやってこれたんだ。




「…は?泣いてんの?」


「うるさい…」


「うるさい?散々アドバイスしてやったのに、うるさい?」



舜の制服の胸辺りがびしょ濡れになるくらいまで、涙が溢れ出た。





.