なんで腕を掴まれたのかは分からない。


でも無理矢理振り払っちゃいけないという事だけは分かった。



「いつから好きだったんだよ」




あたしが山崎さんの手を振り払わないためか、より低い声で話し始めた舜。



舜は問いに答えた山崎さんを無視して他のことを話し出した。




なんで、こんなことになっちゃったの?


山崎さんは、あたしにとっても舜にとっても頼りがいのある大人の一人だよ。



それなのに、どうしてこんなになっちゃったの?


仲良かったのに。

2人は仲良かったのに。



全部あたしのせい?




「答えて下さい」



答えない山崎さんに舜は追求し続けた。



山崎さんは俯くばかりで、口を開くことはなかった。



それでも舜は視線で追求し続け、教室は再び沈黙に包まれ静けさだけが広がった。





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