舜の挑発するような口調。
山崎さんの冷静だけど、どこか余裕がある感じがある口調。
2人が何をこんなにピリピリしながら話しているのか分からなかった。
「平気。俺があと5分は休憩時間にしといたから」
「俺が?」
「ん。俺が全部、休憩時間も練習試合時間も決めさせてもらってんの」
「一ヶ月後に試合なのに、休憩時間長くて平気なんですか?」
「平気だよ」
山崎さんの喋ること全てに舜が突っかかって話が前に進まない。
そしていつの間にか、
あたしは舜の背中に隠れさせられていて、山崎さんの顔が見えない状態になっていた。
「俺ら、そろそろ帰ります」
しばらく沈黙が続いて、その沈黙を舜が破った。
「…実紅、帰るぞ」
そう言われ、あたしは下に置いてあったカバンを手に持った。
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