舜は…ズルいよ。
こうやって身動き出来なくすれば
綺麗な目で見つめれば
あたしが黙るのを知ってる。
ほんとに、ズルい。
あたしだけが舜の顔に目がいっちゃって、視線を逸らしたら舜はさっきから、あたしばかり見つめてくる。
そんな、まだ不機嫌な舜が口を開いた。
次は何を言われるのかと、あたしの心拍数は上がっていた。
「今日は来いよ」
「……今日…?」
「夕飯作りに来い。あと、今日から毎日一緒に帰るから」
なんとなく、舜から言われた言葉が嬉しくて不機嫌な舜をよそに、顔がニヤついた。
前からよく分かんなかった。
放課後舜に待ってろって言われて舜を待ってて、それで自然に一緒に帰って。
別に約束してるわけでもないから舜に何か言われないと、一緒に帰る保証なんてないし。
そこでも不安になる。
一言でも一緒に帰ろうって言ってくれるのを待ってたんだ。
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